ゲーム理論[批判的入門]
����
���Ƴ�ά
本書で展開されているのは、単なるゲーム理論の解説、と言うよりは、ゲーム理論の解説を通じた、合理主義的経済人という人間像への哲学的批判である。
このような形式での解説が「わかりやすい」ものであるかどうかは、人によって異論があるだろうが、その内容がおもしろく、刺激的である、と言う点ではかなりの人が同意しうるのではないだろうか。そして、おもしろさというのは、単なるチャート式のテキストブックのようなわかりやすさよりも、もっと意義のあるものであるということには違いないだろう。――「訳者後書きに代えて」より
�ܼ�
第1章 概観
ゲーム理論の仮定/自由主義的個人主義、国家、ゲーム理論/
この本の内容についてのガイド
第2章 ゲーム理論の要素
ゲームの環境といくつかの表記法/支配と均衡/合理化可能な確信と行動/
ナッシュ戦略とナッシュ均衡解/不完備情報のゲーム/震える手とゆれ動く心
第3章 動学ゲーム:遡及的帰納法といくつかの展開型のナッシュ均衡の精緻化
動学的ゲーム、展開型そして遡及的帰納/部分ゲーム完全性/
遡及的帰納法、「均衡外」の確信、共有知識となる道具主義的合理性(CKR)/
逐次的均衡/プロパー均衡、一層の精緻化そして前進的帰納
第4章 交渉ゲーム
単純な交渉ゲームにおける信頼できる会話と信頼できない会話/
ジョン・ナッシュの生成的交渉問題とその公理的解/
アリエル・ルビンシュタインと交渉過程/政治哲学・倫理哲学における正義
第5章 囚人のジレンマ
はじめに:囚人のジレンマと国家/社会生活における囚人のジレンマの隠された例/
カントと倫理:非協調行動をとることは合理化か/
ヴィットゲンシュタインと規範:非協調行動をとることは本当に合理的か/
ゴーチェ:非協調行動をとることは道具主義的に合理的か/
アクセルロッドの競技会におけるしっぺ返し戦略
第6章 繰り返しゲームと評判
有限回繰り返される囚人のジレンマ/
フォーク定理と無限回繰り返される囚人のジレンマ/
無限回繰り返されるただ乗り問題/有限回繰り返しゲームにおける評判/
シグナル行動/繰り返し、安定性、そしてナッシュ均衡概念についての最後の話
第7章 進化ゲーム
はじめに:自主的秩序対政治的合理主義/進化論的安定性/
鷹-鳩ゲームの進化論的行動からのいくつかの推論/統合ゲーム/
囚人のジレンマにおける協調の進化/
権力、倫理と歴史:社会進化についてのヒュームとマルクス
第8章 人々がゲームを行うのを観察する
遡及的帰納法/繰り返し囚人のジレンマ/統合ゲーム/交渉ゲーム/
鷹-鳩ゲームと社会的役割の進化