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マルサスとスミス
遠藤和朗著
四六判・上製・縦組・208頁
(本体2,400円+税)
ISBN 978-4-8115-7721-0 C1033
本書は、マルサスの2つの著書『人口論』と『経済学原理』がアダム・スミスの強い影響の下に執筆されたことを念頭において、主として両者の学問体系の内的関連について考察したものである。両者の関連は、神学思想をはじめ人口法則・労働維持基金・富の定義と資本蓄積・価値論・地代論にまで至り、マルサスがスミスの経済学体系をどのように受容・批判して独自の論理を展開しえたのかを検討している。
第1章では、マルサスにおいても、スミスと同様に自然の秩序と構造のなかに、神の存在と仁愛深い神の意図を認識できるとする自然神学の伝統を継承していることを明らかにし、神学思想はマルサスの学問全体の礎にあることを主張している。第2章、第3章では、スミスの市民社会とマルサスの労働者階級の境遇改善に関する見解を取り上げ、両者固有の課題について論じている。第4章では、人口法則・労働維持基金・富の定義と資本蓄積に関するスミスとマルサスの所説を比較検討し、マルサスは、彼の時代に特有な課題に対応するために、スミスの学説の修正と補完を行ったことを強調している。第5章では、マルサス経済学における価値論の意義を探るとともに、価値規定と価値尺度をめぐってスミスとの関連を取り上げている。第6章では、マルサスがスミスの地代論をどのように批判・継承しているかを考察している。
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はしがき
第1章 神学思想をめぐるマルサスとスミス
1 はじめに
2 神の存在の証明
3 神の属性の証明
4 神の目的と人間精神および人間社会
5 むすび
第2章 道徳的判断の4つの源泉とスミスの市民社会
1 はじめに
2 市民社会の自律性の認識
3 市民社会の富裕と為政者
4 むすび
第3章 マルサスの『人口論』と『経済学原理』
1 はじめに
2 人口法則と労働市場
3 道徳的抑制と庶民の教育
4 救貧法批判と市場経済
5 市場経済と労働者の境遇改善
6 むすび
第4章 スミスとマルサス―人口法則と労働維持基金および資本蓄積―
1 はじめに
2 スミスの人口法則と労働維持基金および資本蓄積
3 マルサスの人口法則と労働維持基金および資本蓄積
4 むすび
第5章 マルサス価値論の構造
1 はじめに
2 交換価値の研究
3 価値規定
4 価値尺度
5 むすび
第6章 スミスとマルサス地代論の構造
1 はじめに
2 地代の定義
3 地代の原因
4 地代の分離と騰貴
5 自然地代と必要価格
6 むすび
索引
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遠藤和朗著
遠藤和朗(えんどう かずお)
東北学院大学経済学部教授
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