社会科学図書出版の多賀出版株式会社

 

書籍のご案内

住宅の質に関する経済分析
  
廣野桂子著
A5判・上製・横組・208頁
(本体4,000円+税)
ISBN 978-4-8115-7681-7 C1033
ご注文
内容概略
 本書の目的は、住宅の質に関する政策について、経済学を用いて理論的・実証的に探求し、政策的提案を行うことである。主な内容は、住宅の質を変数とするヘドニック価格関数の推計による住宅価格指数および賃貸料指数の計測、へドニック価格関数の計測誤差を削除した手法でのヘドニック価格関数による住宅の評価方法、住宅を購入する個人が持つ情報によって住宅資産の保有に生じる格差、日本の住宅の質を向上させるような住宅金融政策および住宅税制の分析である。このうち、住宅金融政策については、かつての住宅金融公庫の政策効果の検証をVAR分析で行ったうえで、証券化によって高齢者住宅の建設を促進する手法を提案した。また、住宅税制については、耐震化された住宅など質が高い住宅の供給を増やすための税制の要件を示した。
 本書の特色は、第一に、住宅の質の向上をはかる方策を探ったことである。住宅の質の向上は、わが国のアメニティ(生活の質)の水準を高める。第二に、住宅の質に関連する政策において、幾つかの改善手法を提案したことである。このような改善手法は、本書の理論分析および実証分析の結果、提案したものである点で学問にのっとった手法であり、同時に実態経済に即した手法である。第三に、住宅の質に関わる既存の経済分析は数少なく、本研究全体でみても、それぞれの章でみても、新規な提案および発見を得るように試みた研究の成果である点である。

このページのトップ▲

目次

はじめに
第1章 本書の主題と構成
 1.主題と構成 
 2.各章の概要 
第2章 住宅市場の効率性:ミクロデータによる計測
 1.はじめに─目的、構成、要旨 
 2.なぜ収益率が重要か 
 3.関連文献の展望 
 4.データセット 
 5.資産としてみた住宅保有の収益率について 
 6.購入物件のヘドニック関数による価格指数の作成 
 7.賃貸物件によるヘドニック関数推定と賃貸料指数の作成 
 8.へドニック関数により推定する「標準物件」の価格と賃貸料のシミュレーション 
 9.住宅市場の弱度の効率性の検証 
 10.結論 
 補論 
第3章 情報の不十分性と住宅保有の格差
 1.はじめに 
 2.モデル 
 3.計測結果 
 4.結論 
 補論 
第4章 ヘドニック価格関数による住宅の適正な評価と情報の開示
 1.はじめに 
 2.ヘドニック価格関数による住宅の評価の方法 
 3.住宅の均衡価格 
 4.住宅の適正な評価水準の求め方 
 5.情報の開示 
 6.推計 
 7.結論 
第5章 住宅金融政策の効果に関するVAR分析
 1.はじめに 
 2.計量分析の手法とデータ処理 
 3.住宅金融公庫による住宅金融政策の効果 
 4.結論 
 補論 
第6章 住宅の質を向上させる税制
 1.はじめに 
 2.理論モデル 
 3.資本コストの定式化 
 4.住宅の質を高める税制の提案と資本コストの定式化 
 5.質が高い住宅の建設を促進する税制の内容 
 6.住宅の質を高める税制の効果 
 7.この税制を適用すべき分野 
 8.賃貸料と住宅の質を高める投資による賃貸料の上昇率の計算方法 
 9.結論 
 補論 
第7章 高齢化社会に対応した住宅政策
 1.はじめに 
 2.高齢者に向いた住宅の提供の必要性 
 3.高齢者に向いた住宅の増加を阻害する要因 
 4.バリアフリー化の現状と必要性 
 5.賃貸住宅のバリアフリー化に向けた政策の案とその効果 
 6.賃貸住宅のリフォームに向けた政策の案とその効果 
 7.持ち家のリフォームを促進するための政策の案とその効果 
 8.結論 
参考文献 
索引 

このページのトップ▲

著者

廣野桂子著

廣野桂子(ひろの けいこ)
日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科教授

このページのトップ▲