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寛容な社会を支える情報通信技術
  (RCSS叢書 第9巻)
小林哲郎著
A5判・上製・232頁
(本体4,000円+税)
ISBN 978-4-8115-7551-3 C1036
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内容概略
インターネットに代表される情報通信技術は、民主主義社会システムをどのように変えつつあるのか。現在の日本では、年金や雇用問題における世代間の利害対立や急速な少子高齢化に伴う外国人労働者の受け入れの問題など、異質な考えや価値観の存在を許容することを求める課題が急増しつつある。つまり、日本が直面する多くの課題は、異質な意見や他者の存在を許容する寛容さがなければ集合的に解決することが困難になりつつある。では、ネットを利用した多様な情報や人々への接触は、異質な他者に対して寛容な社会を作り出すのか。それとも、ネットを利用して見たい情報だけを見て、付き合いたい人とだけ使うことで、分断化された小集団の対立と排他的な世論が渦巻く非寛容な社会が到来するのか。
本書はこうした問に対して、社会心理学の諸理論と重厚な実証データに基づいた回答を提供する。扱うデータは多岐に及ぶ。国政選挙時のネットを利用した政治情報利用、若年層における携帯メール利用、成人のPCメール利用、住民同士のコミュニケーションを支える地域オンラインコミュニティ、仮想世界シミュレーションとしてのオンラインゲームコミュニティなど、高度情報化社会を特徴づける数多くの切り口から寛容な社会を支える情報通信技術の可能性が論じられる。

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目次

1章 緒論
2章 理論編
3章 実証編【研究1】:社会的寛容性の概念妥当性の検討
4章 実証編【研究2-3】:情報ルートにおけるウェブ閲覧の効果
5章 実証編【研究4】:対人ルートにおける携帯メール利用の効果
6章 実証編【研究5】:対人ルートにおけるPCメール利用の効果
7章 実証編【研究6】:対人ルートにおける地域オンラインコミュニティ利用の効果
8章 実証編【研究7】:対人ルートにおける仮想世界オンラインコミュニティ利用の効果
9章 総合考察
10章 補論:ICTを活用して社会的寛容性を醸成するための制度設計
引用文献
索引 

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著者

小林哲郎著

小林哲郎(こばやし てつろう)
国立情報学研究所情報社会相関研究系助教

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