社会科学図書出版の多賀出版株式会社

 

書籍のご案内

行政サービス供給の多様化
  
宮川公男・山本清編著
A5判・上製・320頁
(本体5,600円+税)
ISBN 978-4-8115-7421-9 C1033
ご注文
内容概略
 過去30年余にわたり世界各国で進められてきた政府改革の流れの中で、財政の健全化、財政構造の見直しとともに、行政の効率化と新しい行政需要への対応のあり方が問われている。「より少ない経費でより良く機能する政府」というのがその代表的なスローガンの一つである。そこでは行政サービスの質・量と負担の見地からの検討が不可欠であり、その上で行政サービスの供給のあり方を根本的に考え直すことが求められている。
 近年のわが国の改革においても、行政サービスの供給は、政府による直接供給に加えて、従来からの民営化や民間委託のみならず、独立行政法人化、市場化テスト、PFI、指定管理者制度、学校選択制など多様化を呈し、供給の組織形態のみならず方式においても種々のものが生じていて、官と民の役割分担や政府組織構造の在り方に議論が発展している。
 本書はこのような行政サービス供給の多様化について、国際的動向も視野に入れながら、その背景や要因および基礎的理論について考察するとともに、わが国の地方自治体についての実態調査について問題の解明と分析を試みたものである。近年、公共経営において官と民を官対民(public vs. private)ではなく協働(public-private partnership, PPP)と見る視点の重要性が強調されているが、本書の分析も行政サービス供給が企業のように効率性のみで規定されず民主制における参加的決定という政治的合理性をも必要とすることを示唆している。

このページのトップ▲

目次

まえがき
序章 ガバナンス改革とNPM
 1. なぜ今ガバナンスが問題か
 2. ガバナンスをどう理解するか
 3. なぜ改革か
 4. 改革の諸次元と方向
第1章 行政サービス供給の多様化の背景と課題
 1. はじめに
 2. 多様化の背景・動向と理論
 3. 多様化の影響と効果
 4. わが国での実態と課題
 5. まとめ
第2章 行政サービス供給方式の多様化とガバナンス
 1. はじめに
 2. 新しいガバナンスへのパラダイムの転換
 3. ネットワークによるガバナンス
 4. 開かれた政府――その背景と意義
 5. 改革へのeガバメントの役割
 6. WOGへの動き――ポストNPM?
第3章 行政サービス供給の多様化と財政
 1. 行政サービスの供給と財政
 2. 政府部門の民営化
 3. 諸外国における民営化
 4. 非ケインズ効果と公的供給の多様化
 5. クラウド・インする財政政策と供給方式の多様化
第4章 行政サービスの政治過程
     ―学校給食サービス民間委託を事例として―
 1. はじめに
 2. 学校給食サービスの供給システム
 3. 学校給食サービス民間委託の取り組み
 4. 事例の概要と分析枠組み
 5. 政策パラダイムの転換:直営方式見直しへの動き
 6. 政策アイディアの構築:民間委託方式の検討
 7. 政策アイディアの制度化:民間委託方式の断念と採択
 8. まとめ
第5章 誰が何故、いつ、どのようにして行政サービス供給の多様化を決めるのか
     ―日本の地方自治体における調査からの分析-―
 序
 1. はじめに
 2. 構造改革と規制緩和
 3. 経済財政運営と構造改革に関する基本方式2004
 4. PFI(Private Finance Initiative)
 5. 地方自治体における行政サービスの供給に関する調査
 6. 結論
第6章 多様化に関する調査とその分析
 1. 問題の設定
 2. 単純集計による全体的な傾向
 3. 供給多様化選択を規定する外的要因
 4. 多様化動態のパターン分類と選択要因分析
 5. 行政サービス供給多様化に見る同質的な行動
 6. 要約
第7章 公共部門の規模の決定要因に関する研究
     ―OECDデータによる実証分析―
 1. はじめに 
 2. 既存研究
 3. 実証分析
 4. 結論と残された課題
第8章 政府全体的アプローチ
     ―規制、業績、公共部門改革からの考察―
 概要
 1. 序章
 2. なぜ今WOGイニシアチブなのか
 3. WOGとは何か
 4. WOGアプローチに関する理論とその実態
 5. WOG 手法のダイナミクスと潜在的な影響
 6. 規制と業績管理とWOG
 7. 結論
付録「行政サービス多様化に関するアンケート調査」調査票
索引

このページのトップ▲

著者

宮川公男・山本清編著

宮川公男(みやかわ ただお)
(財)統計研究会理事長、一橋大学名誉教授

山本 清(やまもと きよし)
国立大学財務・経営センター研究部教授

このページのトップ▲