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公会計情報と政策情報システム
  ソシオネットワーク戦略研究叢書◎第4巻
柴健次・宗岡徹・鵜飼康東著
A5判・上製・192頁
(本体3,800円+税)
ISBN 978-4-8115-7231-4 C1034
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内容概略
本書は公会計の政策立案支援機能と評価機能についての研究書である。
第1章、第2章、第3章において、政策会計では「複式簿記に依拠せずに公的組織のストック情報が把握可能である」という主張を展開。また、公会計を複式簿記で行うことを主張する会計学者に、正味財産の蓄積を最大の政策目標と錯覚する一群があることを厳しく批判している。
第4章では、予算の裏づけのない政策について、マニュフェストに記載する政治家が約3分の1存在し、しかも、この比率が政党間で有意差がないことを実証する。
第5章、第6章では、公会計作成基準をめぐる中央政府と地方自治体の対立を分析。
第7章では、政策会計の社会的情報技術基盤として3つの提案がなされている。第1提案は、公会計情報の作成・交換・利用のために標準化されたXMLベース言語XGRL(eXtensible Government Reporting Language)を会計学者、政策学者、コンピュータ技術者が共同して開発することであり、第2提案は、公会計情報を最適に配信するシステムとして、公的機関のサーバ群をGCDN(Governmental Content Distribution Networks)により連結することである。最後に、政策支援高速コンピュータ網GPGC(Global Policy Grid Computing)が提案されている。

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目次

第1章 政策会計学の構想
1. はじめに
2. 政策会計の必要性
3. 政策会計学の課題
4. 政策会計における予算
5. 政策会計の系としての行政会計と財務会計
6. 政策会計における会計責任の明確化
7. おわりに
第2章 政策交代と政策会計
1. はじめに
2. 公会計における従来の研究の「常識」の否定
3. 政策交代と公会計
4. 政策志向会計モデル
5. 政策責任モデル
6. 複式簿記試論
7. 政府簿記試論
8. おわりに
第3章 政策と公会計情報
1. はじめに
2. 複式簿記にこだわる理由
3. 公的意見に見る正味財産の解釈
4. 複式簿記と正味財産勘定
5. 財産計算における複式簿記の優位性:第1の理論問題
6. 派生計算における複式簿記の特殊性:第2の理論問題
7. 公益法人会計基準の改正案
8. 行政会計における正味財産勘定の理解
9. おわりに
第4章 予算決算に関する政治家意識調査
1. はじめに
2. 共同研究について
3. アンケート調査の概要
4. アンケート調査の結果
5. おわりに
章末資料:アンケートの内容
第5章 国の公会計基準の整備
1. はじめに
2. 省庁別財務書類の目的
3. 会計単位について
4. 財務書類の体系
5. 連結範囲に関して
6. おわりに
章末付録:平成16年度・国の財務書類
第6章 地方公共団体会計基準と国の会計基準の矛盾
1. はじめに
2. 国と地方の財務書類の違いについて
3. 国の資産債務圧縮と公会計
4. 貸借対照表の消滅
第7章 政策会計の社会的情報技術基盤
1. 政策会計の政策立案支援機能
2. 複式簿記を越える公会計
3. 政策会計言語XGRLの提案
4. 公会計コンテンツ分散ネットワークGCDNの提案
5. 政策支援超高速コンピュータ網GPGCの提案
索引

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著者

柴健次・宗岡徹・鵜飼康東著

柴 健次(しば けんじ)
関西大学大学院会計研究科(会計専門職大学院)教授

宗岡 徹(むねおか とおる)
関西大学大学院会計研究科(会計専門職大学院)教授

鵜飼康東(うかい やすはる)
関西大学総合情報学部教授(ソシオネットワーク戦略研究センター長)

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