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書籍のご案内

中東石油利権と政治リスク
―イラン石油産業国有化紛争史研究  
梅野巨利 著
A5判・上製・424頁
(本体4,700円+税)
ISBN 4-8115-6321-2
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内容概略
 本書は、1951年イランで起きたアングロ・イラニアン石油会社(現在のBP)の国有化紛争を国境を越えて事業活動を行う企業にとっての政治リスク問題として捉え、これを国際経営問題の視点から史的分析を試みたものである。
 外資企業の「企業益」と受入国の「国益」との対立による紛争形態の一つの究極的な帰結である国有化紛争プロセスを詳細に跡付け、検討を加える。

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目次

第1章 研究のフレームワーク
    研究目的とアプローチ/先行研究と史料/本書の構成
第2章 アングロ・イラニアン石油会社の誕生
    誕生の基盤/アングロ・イラニアン石油会社誕生/現地政府との対立
第3章 利権協定危機
    イラン国内の体制変動/利権協定改定交渉/利権協定取消し紛争と新利権協定の締結/つかの間の安定期
第4章 ナショナリズムの高まり
    第2次大戦がもたらした苦悩/高まる石油資源ナショナリズム/大規模労働争議/経営現地化問題
第5章 追い込まれるアングロ・イラニアン石油会社
    石油収入問題の再燃/追加協定案交渉/追いつめられるA.I.O.C./国有化原則確立の前提
第6章 国有化断行
    国有化原則の確定/国有化政策の対応/国有化実行に向けた動き
第7章 完全撤退
    交渉挫折/第三者の紛争介入/ストークス・ミッション/完全撤退までの過程
第8章 難航する国有化紛争処理交渉
    米国の調停/世銀による調停/マネジング・エイジェンシー構想の提起
第9章 力による紛争解決
    モサデクとの交渉開始/不毛の交渉プロセス/交渉破局の帰結
第10章 イランコンソーシアム交渉
    交渉の前提/石油メジャー間の交渉/最終決着
第11章 国有化紛争処理事例からの教示
    インプリケーション/比較分析

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著者

梅野巨利 著

梅野巨利(うめの なおとし)

1960年 札幌市生まれ
1982年 小樽商科大学商学部卒業
1987年 神戸大学大学院経営学研究科博士課程(後期課程)単位取得退学
現 在 神戸商科大学商経学部教授
著 書 『国際資源企業の国有化』(白桃書房、1992年)
訳 書 G.ジョーンズ著『国際ビジネスの進化』(共訳、有斐閣、1998年)

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