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脳死・臓器移植の論議の展開
―医事刑法からのアプローチ  
齊藤誠二 著
A5判・上製・400頁
(本体5,600円+税)
ISBN 4-8115-5681-X
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内容概略
 脳死や臓器移植の問題はわが国の一つの社会的な関心事であった。しかし、1997年の臓器移植法で一つの区切りがつけられた。この本は、1997年からこの問題に取り組んできた筆者が、この区切りを契機として、これまでの論議をくわしく跡づけるとともに、さらなる将来の論議を見つめようとしたものである。
内容の一部:
(一)国際的にも一部でいわれている、「脳死」になっても、(1)妊婦が出産したり(「脳死と妊婦」)、(2)ホルモンを分泌したり(「脳死とホルモン調節」)、(3)手足を動かしたり(「脳死と脊髄自動反射」)、(4)痛みを感じたり(「脳死と痛覚」)することがあるので、「脳死」は「人の死」とはいえないとする考えなどは、これまでわが国の法律学では正面から対応されてこなかったが、ここでは、国際的な医学的な知見をも踏まえて、正面からこうした問題にくわしくアプローチした。
(二)臓器移植についてごく最近のものにいたるまでのわが国にほとんど紹介されていない海外の立法や運用の状況などが示されている。1994年のスロヴァキアの法律、94年のカナダのケベック州の法律、95年のスウェーデンの新しい移植法、99年2月のスイスの臓器移植についての憲法改正の国民投票、(独特な提案もしている)99年12月のスイスの移植法草案などが、その一部の例である。
(三)小児をドナー(提供者)とする脳死移植の問題や1997年にドイツでひろい同意方式(本人の意思が示されていない場合には家族の承諾でも良いとするやり方)がせまい同意方式(本人が同意している場合に限るというやり方)を排して採られた理由なども明確に示されている。

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目次

第1部 脳死論議の展開
  I 脳死論議の展開――1
  II 脳死論議の展開――2
  III 「脳死移植」といわゆる違法阻却説(再論)
  IV 医事法からみた脳死論議の展開
第2部 臓器移植論議の展開
  I 臓器移植論議の展開
  II 臓器移植法の周辺
  III 海外における臓器移植の法的な状況
  IV ドイツの臓器移植
  V スイスの臓器移植
補論 刑法の観点からみた日本の脳死と臓器移植
資料 (ドイツ、スイスのドナーカードなど)

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著者

齊藤誠二 著

齊藤誠二(さいとう せいじ)

1932年 東京に生まれる
1956年 一橋大学法学部卒業
1966年 法学博士(一橋大学)
1970年 成蹊大学教授(法学部)
1984年 筑波大学教授(社会科学系)
1990年 医学博士(筑波大学)
現 在 中央大学教授(法学部)、筑波大学名誉教授
著 書 『予備罪の研究』(風間書房、1971)
    『被害者補償制度の基本問題』(風間書房、1977)
    『刑事再審制度の基本問題』(多賀出版、1979年)
    『刑法講義各論Ⅰ』(多賀出版、1979年)
    『刑法における生命の保護』(多賀出版、1987年)
    『正当防衛権の根拠と展開』(多賀出版、1991年)
    『医事刑法の基礎理論』(多賀出版、1997年)

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