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書籍のご案内

稲作生産組織と営農志向
  
小林一穂 著
A5判・上製・296頁
(本体6,300円+税)
ISBN 4-8115-5181-8
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内容概略
 内外の厳しい情勢のもと、水稲作を中心にしてきた農村社会は、激動の時代を迎えて久しい。典型的な水稲単作地帯である山形県庄内地方は、米の生産調整が進行した1970年代以降大きく変化した。
 本書は、過去20年間にわたって時系列的に継続してきた事例調査をもとに、農家経営という視点から、稲作生産組織の展開過程と稲作農民の営農志向の変容過程を明らかにしている。庄内地方においては、水稲集団栽培組織が衰退した後、有志かつ機能別の共同組織が展開した。そのうえで、有志共同組織と集落単位の組織である生産組合とが重層的に結びつく様相を呈している。
 他方で、稲作農民の営農志向は、農業の危機的状況の深化とともに、専業志向から複合志向、さらには農外就労志向へと変容している。本書は、こうした調査結果を提示しつつ、今後の農村社会および稲作農民の方向性を展望する。

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目次

序 章
第1章 農業生産組織論の検討
第2章 水稲集団栽培の解体と営農志向の分化
第3章 有志共同組織の展開と営農志向の多様化
第4章 農家経営の合理化と営農志向の3類型
第5章 稲作生産組織の現状と営農志向の変容
終 章

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著者

小林一穂 著

小林一穂(こばやし かずほ)

1951年 栃木県に生まれる
1975年 東北大学文学部卒業
1981年 東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学、同大学助手
1987年 三育学院短期大学助教授
1989年 大阪外国語大学助教授
1993年 東北大学大学院情報科学研究科助教授
著 書:
  『農民生活における個と集団』(共著、御茶の水書房、1993年)
  『沸騰する中国農村』(共著、御茶の水書房、1997年)

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