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書籍のご案内

日本の産業立地と地域構造
「国土のグランドデザイン2050」に向けて  
門川 和男 著
A5判・上製・横組・424頁
(本体9,000円+税)
ISBN 978-4-8115-7951-1 C1033
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内容概略
 近年、国土交通省より「国土のグランドデザイン2050」が公表され、この国土計画で中心的な役割を果たすのは、各自治体で活動する企業間を結ぶ地域間ネットワークになっている。しかし、これまで地域間ネットワーク構造の詳細を明らかにした研究はなく、その点はブラック・ボックスになったまま日本の国土計画は進められている。
 本書は、日本の物流ネットワーク、企業組織ネットワーク、製造活動の移転ネットワークの構造を、都道府県間という比較的巨視的な視点から分析した結果をまとめたものであり、今後の国土計画を策定していく上で参考にされるべき基礎研究を積み上げた内容になっている。
 その分析結果としては、過去35年間に渡る長期的傾向を数多く見つけることができ、特に、東京圏、名古屋圏、大阪圏を中心とする大都市圏内と大都市圏間の地域間取引ネットワーク構造が発展してきた一方で、仙台圏や福岡圏、広島圏における地方都市圏内の衰退や、その独自性を明らかにすることが出来た。
 また、動的な視点からは、波及効果と固有効果、中間効果という地域間取引ネットワーク構造を進化させる3種類の動的過程を発見することができ、それらが東京一極集中構造や人口の東部移動、東京広域圏の拡大、製造業の西部縮小にどのように関与しているのかについても明らかにすることが出来た。

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目次

まえがき
図表一覧
第1章 日本の国土計画の歴史
 日本の国土計画の変遷と課題
 研究課題の設定
第2章 戦後日本経済の動向
 戦後日本経済の景気の変動
 人口と所得の変化
 地価の変化
 まとめ
第3章 工業立地の動向
 製造活動の地理的分布
 工業立地動向の概観
 まとめ
第4章 立地調査の概要
 アンケート調査の概要
 アンケート調査対象の質的分析
 まとめ
第5章 立地調査の結果と分析
 業種別の分析
 成長停止期(1989年から1990年)
 景気悪化期(1991年から1994年)
 ゼロ成長期(1995年から2000年)
 景気回復期(2002年から2007年)
 近年(2010年から現在)
 まとめ
第6章 地域間ネットワークの分析
 食料品工業の取引ネットワーク
 産業用機械工業の取引ネットワーク
 電気機械工業の取引ネットワーク
 輸送用機械工業の取引ネットワーク
 金属製品工業の取引ネットワーク
 まとめ
第7章 企業内ネットワークの分析
 本社所在地と工場立地
 移転元と移転先の立地地点
 まとめ
第8章 GD2050に向けて
 地域構造の進化とダイナミズム
 地域間取引ネットワークの進化のダイナミズム
 地域構造形成の3要因とGD2050
補論 ネットワーク分析の手法
 中心性の測定法
 部分ネットワーク分析
 地域取引ネットワークとクリーク
参考文献

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著者

門川 和男 著

門川 和男(かどかわ かずお)
東海大学政治経済学部経済学科特任講師

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