序論 サライェヴォ事件とハプスブルク帝国
1 サライェヴォ事件―世界史の転換点
2 ボスニア統治の前提条件
3 研究史
4 本書の構成と史料
第1部 二重帝国体制とボスニア統治
第1章 ボスニア占領への道
1 二重帝国体制の概要
2 アウスグライヒ後の外交政策
3 「東方危機」の勃発
4 ベルリン会議におけるボスニア問題
第2章 二重帝国体制への編入過程
1 ボスニア統治体制の基盤
2 地方行政の構築と法制面での同化政策
3 南スラヴ問題とボスニア併合
4 ボスニア憲法
5 小括
第2部 周辺地域開発の展開―クメット問題と農業振興
第3章 クメット問題への取り組み
1 クメット政策への非難
2 クメット制度の形成
3 統治者側の現状認識
4 ハプスブルクの施策と「現実」
5 ムスリム地主層とハプスブルク政権
6 クメット償却の展開
第4章 農業振興策の展開
1 ボスニア農業の「停滞」?
2 ボスニア農業の生産実態
3 全般的措置
4 分野別措置
5 ボスニア通商と農業
6 小括
第3部 ボスニア農政と二重帝国体制
第5章 畜産問題にみるボスニアの従属性
1 獣疫の重要性
2 豚ペスト問題
3 「共通獣疫体制」への編入問題
4 フランゲシュによる振興法案の策定
5 振興法案への対応
6 ボスニア農政と本国経済の事情
第6章 「ボスニア・ヘルツェゴヴィナ特権農業・商業銀行」の設立問題
1 償却政策の転換
2 特権農業銀行の概要
3 オーストリア政府の対応
4 オーストリア下院議会の抵抗①
5 オーストリア下院議会の抵抗②
6 全会一致決議の意義
第7章 クメット問題解決の切り札―1911年「償却法」の制定
1 ボスニア議会における折衝
2 「償却法」の概要
3 「償却法」以後の進展
4 「償却法」の課題
5 「償却法」改正の試み―バルカン戦争とディモヴィチ法案
6 クメット問題の「解決」
7 小括
補論 ハプスブルクと「七月危機」
1 「世界」大戦の発端―ハプスブルクとセルビアの対立
2 戦争への転換点
3 サライェヴォ事件とセルビア政府
4 世界大戦への拡大―おわりにかえて
結論 ボスニア統治にみるハプスブルク支配の特質
地図・写真典拠一覧
参考文献
あとがき
事項/地名索引
人名索引
村上 亮(むらかみ りょう)
日本学術振興会特別研究員PD、関西学院大学、大阪成蹊大学非常勤講師
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