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書籍のご案内

福祉の現場における「共生」に向けたコミュニティの生成
  
青木美和子著
A5判・上製・横組・184頁
(本体4,000円+税)
ISBN 978-4-8115-7901-6 C1036
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内容概略
 本書は、2001年から10年以上に及ぶ福祉の現場におけるフィールドワークの報告書である。この報告書は、我が国の社会福祉の制度的枠組みを抜本的に再編する動きの中における地域の障害福祉の現状や課題を反映すると共に、社会福祉改革の流れのなかで福祉の現場が福祉の理念の実現に向けてどのような実践を行なってきたのかをエスノグラフィにより明らかにしたものである。
 研究のフィールドとした「Re~らぶ」の出発と展開は、地域に住む障害者の現状と近年における我が国の社会福祉全体の流れを反映している。2001年、高次脳機能障害が「医療と福祉の谷間の障害」とされ、まだ、この障害に対する支援法が確立されていない時期にこの障害を持つ当事者の家族らの手によって小規模作業所「Re~らぶ」は設立された。その後、「Re~らぶ」は2004年にNPO法人化し、2007年に地域活動支援センターに、そして、2008年4月には就労継続支援B型事業所へとその事業を移行していく。こうした事業展開は、「Re~らぶ」が我が国の社会福祉の制度の変化に応じて、なんとか支援を継続していくために変化をさせていかざるを得なかった歴史であると同時に、「Re~らぶ」のスタッフとメンバーたちがお互いの思いを共有しながら、このコミュニティ自らが主体的に実践を生成してきた歴史でもある。このコミュニティの生成の歴史を「共に生きるかたち」として提示し、フィールドワークにより明らかにしたものが本書である。

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目次

序章
第1章 福祉の現場でのフィールドワーク
 1. 福祉現場がおかれた状況
 2. 高次脳機能障害者がおかれている状況
 3. フィールドワーク
第2章 実践をいかに共有するのか―福祉のコミュニティに参加する意味をめぐって―
 1. 問題と目的  
 2. 方法
 3. 結果と考察
 4. 本章のまとめ―メンバーが作業所に参加する意味―
第3章 福祉のコミュニティ・「Re~らぶ」の実践とその内容
 1.「Re~らぶ」の概要
 2. 就労継続支援B型事業所「Re~らぶ」の事業内容
第4章 障害を持って人と共に<いま>を生きる
 1. 問題と目的 
 2. 方法
 3. 結果と考察
 4. 本章のまとめ
第5章 居場所から働く場所へ
 1. 問題と目的  
 2. 方法
 3. 結果と考察
 4. 本章のまとめ
第6章 共に働く場所へ―「自分たちの作業所」という意味の生成―
 1. 問題と目的 
 2. 方法
 3. 結果と考察
 4. 本章のまとめ
終章
あとがき

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著者

青木美和子著

青木美和子(あおき みわこ)
札幌国際大学人文学部准教授

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