社会科学図書出版の多賀出版株式会社

 

書籍のご案内

地域を再興する高校改革の臨床的研究
―住民による課題と展望の共有を視点に  
山岸治男著
A5判・上製・196頁
(本体4,000円+税)
ISBN 978-4-8115-7891-0 C1037
ご注文
内容概略
 本書は、中山間地域の小規模高校の存続条件を探るだけでなく、それが地域社会の再興と関わる事実について検討するものである。日本の中山間地域は、近世期までにその骨格を作り上げたと思われる。したがって、それが近現代資本主義経済の拡大・浸透過程で変化を余儀なくされることは既に早期から周知のところであった。
 しかし、この変化が、自然の循環、個人の生涯、社会の歴史などの諸視点から見て、必ずしも良好とはいえない状況をあらわにしていることもまた事実である。地域社会は再びその在り方を巡って、解決を迫られる課題に直面しているのである。
 こうした動向を見つめながら、後期中等教育までの教育を、地域社会がどのように担うことができるか、本書が少しでもその臨床を問う契機になれば幸いである。

このページのトップ▲

目次

はじめに
第1章 本研究の課題・視点・方法
 1.問題の所在と研究の課題
 2.研究の視点と方法
 註
第2章 本研究に関わる先行研究の検討
 1.戦前期農村における中等学校の展開に関する諸研究
 2.戦後農村における新制高等学校の展開に関する諸研究
 3.過疎化する中山間地域に所在する高等学校の諸研究
 註
第3章 過疎・少子化地域の教育課題
 1.ひとの発達と教育
 2.家族・地域社会・学校における教育の構造
 3.教育機能の展開に見る過疎・少子化地域の教育課題
 4.過疎・少子化地域における教育の課題
 註
第4章 高校教育の課題と府県における高校改革の試行
 1.少子化の進行と高校教育の課題
 2.生徒の急減・多様化と高校の再編課題
 3.府県における過疎・少子化地域に所在する高校改革の試行
 註
第5章 中山間地域の高校における「内発的改革」の試行
 1.地場産業との連携を試行する─長野県蘇南高等学校の事例
 2.高校留学制度の導入を試行する─福島県只見高等学校の事例
 3.中高一貫制を試行する─秋田県矢島高等学校の事例 
 4.教育課程の改善を試行する─島根県矢上高等学校の事例
 5.教育の内発的改革を試行する─大分県安心院高等学校の事例
 6.小規模分校の存続を試行する─京都府網野高等学校間人分校の事例
 註
第6章 地域再興と教育の内発的改革─課題・試行・展望─
 1.中山間地域における地域再興の理念
 2.教育課程編成上の課題と試行
 3.生徒の活動・生徒指導等における課題と試行
 4.外部諸団体・組織や企業などとの連携上の課題と試行
 5.教員組織・教員研修等の課題と試行
 6.地域住民が「内発的改革力」を形成する課題と実践
 7.社会資本としての地域所在高校の存在意義
 8.教育を視点に据えた地域再興の試行と展望
 註
おわりに

このページのトップ▲

著者

山岸治男著

山岸 治男(やまぎし はるお)
日本文理大学教授・大分大学名誉教授

このページのトップ▲